電車で座った時の足の畳みっぷり。
死守ですよ。死守。座っても安心できません。座ってからも試合です。
どうも、ディフェンスに定評のある池上です。
さておき、
今回ご紹介するのは
チャーチ125周年モデル「トーマス」でございます!
私自身、3度のメシよりチャーチを愛するチャーチャーでは無いのですが、幾重にも縁が重なり、手にすることができました。
ちなみに、チャーチに関しては、結構前にサイズをミスして即放出したコンサル以来、二足目です。あれも良かったんですけど、ブカブカの靴はやっぱり履いてイイ気分にはならないんですよね。かかとパッカパカで靴ひも緩めずに着脱している人を見ると何とも言えない気分になる、そのくらいルーズフィットが許せないタイプです。
まぁそれはさておき、二足目にしてこんなプレミアムなモデルを手にしてしまったので、いてもたってもいられません。チャーチャーから石でも投げられるんじゃないかと心配しておりますが、そんな心配、現代とはかけ離れているのが分かりましたので、早速色々紹介したいと思います。
そもそもchurch’s(チャーチ)って?
はい。皆様ご存じのあのチャーチです。靴作りの町で有名なノーサンプトンで1873年に創業した英国を代表する靴メーカーのあのチャーチで、世界で初めて靴を足なりに湾曲させ左靴・右靴の区別を付けたことで有名なあのチャーチで、007のジェームスボンドが履いていたあのチャーチです。あとは、近年の価格上昇がハンパないことでも有名なあのチャーチです。あ、ちなみに私は靴に関わる方々を守る為の値上げは必要だと思う派です。
ここで重要なのが、1873年に創業したってところです。今回ご紹介するのは創業125周年を記念し作られたモデル、1873年プラス125年、つまり1998年に作られた記念モデルなんです!20年も前の靴って考えたら感慨深いですが、ビンテージ界隈にとってはまだまだヒヨっ子ですね。
125周年記念モデル
125周年記念モデルの特徴をまとめてみました。
- 創業125周年を記念し、製造されたプレミアムモデル。
- 世界限定3000足しか製造されなかった。ナンバリング有り。
- モデルは3種。内羽根プレーントゥの「アルフレッド」、 内羽根セミブローグの「トーマス」、 内羽根フルブローグの「ウィリアム」。モデル名は創業者の名前が由来。
- 採算度外視で製作した為、儲かったのは、カールフロイデンベルグだけだった(諸説有り)。
儲かったのはカールフロイデンベルグだけだったってのは本当か?疑問しかありませんが、まとめますとこんな感じです。今回手に入れたのは内羽根セミブローグの「THOMAS トーマス」でございます。
あくまでも機関車ではない。
さて、早速写真です。
上・正面
内羽根セミブローグのアデレードタイプ。ぽってりとした若干のセミスクエアトウが「ザ・英国靴」って感じのオーラを醸し出しております。記念モデルだからといって攻めすぎず、守りすぎず、いい意味で野暮ったく男くさいですね。見た目の好みは100点です。
サイド!後ろ!
こうしてみると甲の立ち上がりは結構なモノですね。アッパーは若干赤味がかったブラックです。 ホワイトバランスの問題のように見えますが、 ホワイトバランスの問題かもしれません。いや、赤か青かと言えば赤、そのくらい赤味があるブラックです。
高さがあるせいか、かかとは大き目に見えます。ボテっとしてます。トップラインへの絞り込みは多少ある程度です。フィット感はそんなに悪くなく、ビチビチに食い付くような感じはありませんが、高さのおかげか守られている感はあります。
くびれもなかなかセクシーです。
ソール!ソックシート!
汚くてごめんなさい。
記念モデルだといえ、チャネルを伏せることはありません。製造年によってはヒドゥンチャネルがあるようですが、記念モデルでは媚びません。サウザーくらい媚びません。
カラスは…、半カラスの半カラス。うーん、クォーターカラスと言えばいいんですかね。ちょいカラスです。
チャーチャーにとっての大好物、ソックシートの紋様(ロゴ)です。なんですかこのロゴは?製造は1998年で間違いないんでしょうけど、4都市(ロンドン、パリ、ミラン、ニューヨーク)…。少しだけ掘り下げると、チャーチは1999年にプラダグループに買収され、それ以降は4都市モデル(復刻とか5都市モデルもありますが)となっております。だとしたら、実は買収される以前の1998年から4都市モデルが製造されていたのでしょうか…。謎いです。
3000分の1665? ナンバリングが見えます。所有欲をブイブイ満たしてくれます。ニクいですねー。
ん?良く見たら、カラス部のチャネルがギザギザで雑ですね。記念モデルでも垣間見える男気です。ん?でもよく見たら、ヘタの無いイチゴみたいなラインで高級感を出そうとしてますが、こんなシャレオツ風な意匠は女々しくてどうかと思います。なんなら無い方がいんじゃないかと。
シャコ止め!!アッパー!!他ー!!
負担のかかる場所なんでしょうけど、 シャコ止め(かんぬき)がなぜかありません。こんな細かい所で男気見せないでいただきたい。あとからシャコ止めを付けるなんてことは絶対にしません。意匠は大切にしたい派ですが、ハーフラバーは別物派です。
ん?よく見たらアデレード部分のブローキング部がアッパーの上から縫い付けられてます。言葉で説明すると難しいですが、レースステー部が潜り込んでいないです。何か理由があってこのようにしているのだと思いますが、理由は分かりません。ただ、何となくクラシック感は出てる気がします。デザインの奥深さを感じます。
タンが落ちそうです。片側のみ縫い付けられてるパターンかと思いきや、両サイド縫われていないパターンです。こんなとこにも男気パターンです。
アッパーは、今はなき、カールフロイデンベルグ社の幻のボックスカーフ。今はなきというのを、少し説明すると、カールフロイデンベルグ社は世界を代表する皮革製造メーカーでしたが、ドイツの厳しい環境問題により、従来の皮革製造を行うことが出来なくなり、結果皮革産業から撤退した幻のメーカーです。ただし、今はカールフロイデンベルグの技術をワインハンマー社が継承しており厳密に言えば幻ではありません。でも、当時の技術を継承し同じように製造しても当時のボックスカーフは作れません。感情論かもしれませんが、やっぱり幻なのかもしれません。
肝心の革質ですが、ご覧の通りです。肌理の細かさはもちろん、薄くて柔軟性があり、かつハリもある、文句なしの革質です。すっぴん美人とも言ってよいのか、ほんの少しの乳化製クリームだけでも革本来の性質だけで光る、ごまかしの効かないそんな美しさです。
ラスト
125周年記念モデル限定ラスト「125」です。サイズは85G。創業時のラストを蘇らせるみたいなテーマもあったような気がしますが、ラスト35(旧チャーチ末期の、1990年代中頃から1999年買収直前まで作られていた旧チャーチ時代の最高級ラインのみに採用されていたラスト)がベースになっていると思われます。
確かコンサルは現行173ラストの90Fでルーズだった為、125ラストの85Gでチャレンジしました。結果、まぁ悪くないけど、85Fがあったら85Fを選ぶかな?ってサイズ感です。サイズ選びは難しいですね。
詳細データ
ブランド | church’s チャーチ |
品番型式 | thomas トーマス |
木型(ラスト) | 125 |
色 | ブラック |
ウィズ | G |
製法 | グッドイヤーウェルト製法 |
甲革 | カールフロイデンベルグ ボックスカーフ |
靴底 | レザーソール |
生産国 | イギリス |
サイズ | 85 |
最後まとめ
結果、大満足です。中古ですが、本当にいい買い物したと思います。何と言ってもカールフロイデンベルグのボックスカーフの質です。こんな革質お化け見たことありませんでした。そして、質実剛健な英国靴としての存在感。旧チャーチの虜になりそうです。
そして、チャーチャーへの道、財布のヒモと言う武器を持ってしても険しい道のりとなりそうです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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