ドーバーと言えば海峡ではなく、靴。
どうもぴーまです。
沖縄は梅雨に入った(?)ようですね。私も含めこのブログをご覧になっている貴重な靴クラスタの皆様にとっても、一年で一番憂鬱な時期なんじゃないでしょうか。
オレは雨でもコードバン履くぜ!っていう猛者様の鉄のメンタルが羨ましい限りです。
ちなみに私は「粘土メンタル」です。傷ついてないようで傷ついてます。(どうでもいい)
さて本題です。
今回ご紹介するのはコレ。
三陽山長 勘三郎!
三陽山長とは
簡単ですが、三陽山長というブランドについてまとめてみました。
伝統的な仕様と現代のディティールを見事に融合させた革靴を展開する三陽山長。「技」「粋」「匠」を理念に掲げ、徹底した品質主義のもと創業時よりハイレベルな製品を展開。日本人の足型にあったラストを制作し、日本人のための革靴づくりを行う。顧客からフィードバックを得ることでラストは進化を遂げており、そのフィット感とホールド感は欧米の靴を凌駕している。代表作の「友二郎」や、ハイグレードラインの”極み”シリーズなど、魅力的なコレクションで着実にファン層を拡大中。
https://otokomaeken.com/brand/41165
もう少し掘り下げます。
三陽山長の始まりは2000年10月、靴メーカー「山長印靴本舗」が誕生。それからちょうど1年後の2001年10月に、三陽商会が商標を取得し、紳士靴を中心にレザーアイテムを取り扱うブランド「三陽山長」としてスタートした。
三陽商会といえば、「Paul Stuart」「MACKINTOSH PHILOSOPHY」などライセンス契約しており、 かつては「バーバリー」とライセンス契約を結んでいたことでも有名な国内アパレル最大手の一社ですね。ライセンス契約が終了した背景に関しては大人の事情で語れません…。
ちなみに小ネタですが、「MACKINTOSH PHILOSOPHY 」は三陽商会ですが、「MACKINTOSH」は八木通商なんですね。闇深い。
さて、写真です。
まずは正面から
正面
大きな特徴としては、「外羽根」、「Uチップ」、「スキンステッチ」って感じで、カジュアルになりがちなUチップにライトアングルのスキンステッチが施されることによって、ドレッシーな表情になっています。
※スキンステッチとは、革の銀面の下の層に針で穴を開け、革の中に糸を通して縫い上げる縫製。簡単に言うと、数ミリの革の断面に対し垂直に針を入れずに、水平に針を入れます。職人技ですね。パッと見ても繊細な技術だなって感じます。
ライトアングル スキンステッチ
もちろんですが、豚毛ブラシで縫い目をガシガシやっても、全くほつれません。
ちなみに「Uチップ」とか「Vチップ」は和製英語で、英国では「エプロン・フロント・ダービー(Apron Front Derby)」や「ノルウィージャン・ダービー(Norwegian Derby)」、フランスでは「シャッス(Chasse)」 、アメリカでは 「ノルウィージャン・ブルーチャー(Norwegian Blucher)」または「アルゴンキン・ブルーチャー(Algonquin Blucher)」って呼ばれてます。
サイド・後ろから
サイド 後ろ
ブランドを代表する定番モデルなだけに、ステッチの細かさといい、 全体的なシルエットが洗練されています。で、純正のシューレースがあまりにもショボかったので、なんとなく 紗乃織靴紐(さのはたくつひも) ロウ引きヒラに即チェンジしました。
お陰様でクラシックな雰囲気になりました。
革質は?
個人的にどこどこ産のなになにカーフとか全然気にしませんが、フランスのアノネイ社のブラックカーフらしいです。キメ細かで質の良さを感じます。
履きシワはいい感じに入ってます。ボールジョイント部がピッタリの時に浮かび上がる小さいイモムシみたいなシワが入ってます。
あと、ちょちょっと磨いただけで、簡単に光ります。本当に簡単。自分の腕を勘違いするレベルです。
なんで和製DOVER?そもそもDOVERって何よ?
DOVER(ドーバー)と言えば、 あのEDWARD GREENを代表する不朽の名作Uチップです。
さらに言えばUチップと言えばDOVERと言われているレベルです。要は知る人ぞ知る名作中の名作です。
EDWARD GREEN DOVER EDWARD GREEN DOVER
はい、そっくりですね。パッと見たら絶対に分かりません。
ゴルフとモールトンとタグを切ったシャンボードぐらいそっくりです。
どっちを選ぶかは好みの問題です。いつか履き比べてみたいですね。
採用ラストはR2010
R2010は、 ブランド10周年を迎えた2010年に登場した三陽山長を代表するマスターラスト。10年間蓄積してきたデータを分析し、過去から現在の足型の変化を反映させました。R201をベースとし、踵をホールドする”小振りなヒールカップ”、アーチを支える”絞り込んだ土踏まず”、美しい履き皺を生み出す”低く抑えた二の甲”で立体的な造形美とフィット感を実現しています。
http://www.sanyoyamacho.com/collection/last/
他の靴と同じように、9と8ハーフで悩みました。
9だと全体的なフィット感は問題無いが羽根がすぐに閉じきる予感の開き具合。羽根が閉じた後のインソールやタンパッド調整はなんとなく許せないんです…。言葉で表現するのは難しいですが、ラーメン頼んでコショウかけて食べるとか、チャーハンの味飽きたからコショウかけるみたいな、感覚に近いんです。昔から食卓で調味料足さないクラスタとしては、作り手の思いを本来の味で楽しみたい派なんです。
8ハーフだといつものように右足小指が当たる感じだがそこ以外は全体的に少しタイトで好きな感じ。
で、結局8ハーフにしました。修行の始まりです。
右足小指に関しては、いつもの如くオリーブオイルで対応し、今はバッチリです。文句の付けようがありません。食卓で調味料足さないクラスタとしてベストな選択だったと我ながら思います。
オリーブオイルに関してはいつか記事にしたいと思っております。
製造はセントラル靴
セントラル社は東京台東区に工場を抱える純国産靴メーカーであり、トレーディングポストの靴を手掛けたり、OEMというかB2Bのイメージが非常に強いですが、ファクトリーブランドとして自社ブランド「CENTRAL」をワールドフットウェアギャラリーで展開していたようです。
詳細データ
上から
ブランド | 三陽山長 |
品番型式 | 勘三郎 |
木型(ラスト) | R2010 |
色 | ブラック |
ウィズ | E? |
製法 | グッドイヤーウェルト製法 |
甲革 | 牛革 |
靴底 | レザーソール |
生産国 | 日本 |
サイズ | 8ハーフ |
シューツリーは 純正でも大丈夫ですが、“ Sarto Recamier (サルトレカミエ)SR-100-BH (SIZE42)”を使用しています。ピッタリです。
私自身初の三陽山長でしたが、結果満足な一足です。同ブランドとしてはレベルソ仕上げの“匠一郎”を狙ってます。他のラストも気になりますが、色々試してみたいブランドの一つですね。
最後までご覧いただき、有難うございました!
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